こんにちは、ミズーリ州のSoutheast Missouri State Universityに通うりゅーきです。
今回は僕が通っている大学についてお話しようと思います。学校を選んでいく中で実際に留学している人が自分の大学の記事を書く事って意外と少ないなぁと思ったので書いておきます。
日本人の新入生は毎年いますが、多くても2人とか3人ぐらいなので個人的には結構穴場なんじゃないかと思っています。
基本情報
Southeast Missouri State University 通称SEMO(シーモ)と呼ばれている学校です。
学校名の通り元々は地域名でたまに地元の方やミズーリ州の人はSoutheast Missouriと言っているのを聞きますが、この場合は大学ではなく地域を指していることが多く、大学の事を指す時は大半の人達が通称名のSEMOと呼んでいます。
1873年に創立された4年制の総合大学で、元々は大学ではなく師範学校として設立され、今では学生数は学部生が9524人、院生が1113人、合計10637人の学生がいる中規模と大規模の中間ぐらいの学校です。
アメリカ国内でも中西部に位置しているミズーリは、日本と気候が似ていて四季もあります。夏場は30度、冬は0度を下回る日も多くありますが、空気が日本よりも乾燥していることを除いてほとんど変わりません。
専攻科目の数は150を超えていて、ビジネス、教育、ナーシング、コンピューターサイエンスが州内でもレベルの高い学校です。他にもアート、ヘルスなど多岐に渡ってメジャーが用意されています。学校の推定では各学期1500のクラス、300のオンラインのクラスが開講されています。
【追記】21−22年度から専攻にパイロット養成のAviationという専攻が追加されました。
特にビジネスはAACSB(Association to Advance collegiate Schools of Business)という経営学の教育を評価する組織から評価されています。
このAACSBはハーバード大学や、スタンフォード大学のような世界トップレベルの大学が加盟していて、日本では早稲田ビジネススクール、慶応大学院などの5校のみが加盟しています。
スポーツはNCAAのディビジョン1、オハイオ・バレー・カンファレンス(OVC)に所属しており、アメフト、陸上、男女バスケットボール、女子サッカー、女子ソフトボール、女子バレーボール、野球が存在し、毎年カンファレンスで優秀な成績を残しています。
特に直近5年においてはスポーツはかなり優秀でアメフト、男女バスケ、陸上、女子サッカー、女子バレーボール、女子ソフトボール、野球はカンファレンスで優勝を果たして全国大会に出場していたり、アメフトではNFLでプレーする選手がいたり、野球からは2年連続でメジャーリーガーを輩出しています。
学校の愛称はレッドホークス、スクールカラーは赤と黒でラウディーというマスコットがいます。
学校内ではシャトルバスが運行されていて、無料で乗ることができます。週末はキャンパス外にあるウォルマートやターゲットに行くこともできます。
立地
ミズーリ州・セントルイス、テネシー州・メンフィスから車で約2時間、同じくテネシー州ナッシュビルから車で4時間、イリノイ州・シカゴから車で5時間という場所にあるケープジラードという街にあります。
この街はミシシッピ川沿いに位置していて、人口は約4万人の州内では中規模の学術都市です。
川沿いには小さなダウンタウンがあり、バーやアイス屋などのお店がいくつか存在します。ちなみにこのダウンタウンは昔のヨーロッパの様な雰囲気で、結構インスタ映えする場所で、よく学生が写真を取っています。
出展:https://www.stltoday.com/travel/cape-girardeau-historic-and-romantic/article_5efdd0cc-efbd-5c1e-bc92-0ec7106f3dca.html
入学条件
- TOEFL ibt 61
- IELTS overall 5.5
- ITEP 3.7
- PTE academic-minimum of 45
- Duolingo English Test-minimum score of 95
- Kaplan international English certified level higher intermediate
- SAT 450 or higher on the evidence-based reading and writing section
この7つが採用されています。
ITEPは知名度があまり高くなく、下4つはシンプルに僕が知らないのでさらっと調べてみました。
【追記】1番下のSATは日本で言う共通テストでアメリカの高校生が受けたりするものなので、日本ではあまり馴染みがありませんが、ここでの説明は割愛します。
ITEP
ITEPはInternational Test of English Proficiencyの略で高校の正規留学や、大学など世界44カ国で実施されています。
特徴としてはテストの時間が80分と短めであること、スコアがメールで5営業日以内に送られてくることなど全体的にスピーディです。
PTE
PTEはPearson Test of Englishの略で、Pearsonという会社が2009年から行っているテストです。スコアの有効期限は2年、費用はUS200ドルとなっています。ニュージーランドではVISA申請で使われているみたいです。
特徴としては受験日が360日以上あること、試験結果がテストの実施日から5日後までに見れることです。日本での試験会場は東京と大阪のみで、日本語のテキストがほとんどないみたいなので対策が少し難しそうです。
Duolingo English Test
Duolingo English Testは携帯アプリでもあるあのDuolingoが作っているテストで、特徴としてはテストの時間が1時間、費用がUS49ドルとなっています。
自宅のパソコンから受験をするので、朝早く起きて会場に向かう必要もないですし、値段も他のテストに比べると安いので、費用を抑えるには良さそうですね。
【追記】最近TwitterではちょこちょことDuolingoのスコアを取得して大学に入学したという話を見かける様になりました。費用や難易度を考えてもTOEFLやIELTSよりも受けやすいので今後注目のテストと言えます。
Kaplan international English
Kaplan international Englishはテストではなく語学学校です。留学先がアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの6カ国にあります。
ミズーリ州には学校はありませんが、シカゴにはあるみたいなので、シカゴに通っている人ならキャンパスを見に来ようと思えば来れる距離にあります。ですが学校なので他よりもお金がかかると思います。
寮
SEMOでは現在10種類の寮を使用することができます。
- Towers East
- Towers West
- Towers North
- Towers South
- Vandiver Hall
- Myers Hall
- Merick Hall
- LaFerla Hall
- Dobbins Center
- Greek Housing
Towers East、South
Towersはキャンパス内のほぼ真ん中に位置していてアメリカ人や留学生を問わず、多くの学生が住んでいます。
EastとSouthはアメニティと間取りが一緒ですが、EastもSouthも2人部屋の寮になっています。この2つがキャンパス内で最安値の寮で、共用のトイレ・シャワーが各フロアにあり、各部屋には机、ベッド、洗面所が備え付けてあります。
余談ですが、過去2年間僕が住んでいたのもEastです。最初は1番安いというだけで住んでいましたが、住んでみると共用スペースは掃除の人が全部やってくれますし、基本的には寝る時しか部屋にいないのであまり気にならないです。
Towers West、North
WestとNorthは上記2つよりも少しグレードアップされた部屋で、値段も少し高くなります。部屋にはトイレ、シャワー等が各部屋に備えついていて各フロアに洗濯機・乾燥機があります。両方とも大きな違いは特になく、ただ名前が違うだけです。
EastとSouthとの違いはシャワールームやトイレが各部屋についていて、ルームメイト・スイートメイトとの共用なので上記の2つよりは使う人数が少ないですが、自分で掃除とトイレットペーパーの補充を行わなければいけないので多少手間がかかるのが難点でしょう。
Vandiver hall・Merick hall・Myers hall
これらは3人から4人部屋の寮でこちらもスイートメイトスタイルを採用しています。キャンパスの端に位置していて、アスリートが多く住む寮でもあります。Myers hallはキャンパス内で唯一ペットがOKな部屋で犬や猫、ウサギやカメもOKです。
Merick hallは1番新しい寮で、綺麗な分少し値段が高めになっています。
トイレ、シャワー、洗面所が部屋に備えついています。
WestとNorceとの違いはほとんどありませんが、立地的に僕はタワーズの方が便利だなぁと思っています。
LaFerla hall
この寮はキャンパス内では唯一ラーニングコミュニティがあり、新入生が上の学年から勉強を教えてもらう様なシステムが出来ています。そのためhonor’s societyに入っている人が多いです。
Dobbins center
Dobbins centerはこの後紹介するリバーキャンパスにある寮です。こちらもスイートメイトスタイルとなっています。リバーキャンパス自体がアート系メジャーのキャンパスなので、寮の中に楽器練習室などがあります。また小さいながらもトレーニングをする場所もあります。
Greek Housing
Greek Housingはフラタニティ、ソロリティに入っている人のみが住める寮なので普通に生活している分には住むことはないです。これらのグループは入るためにも審査等がありますが、グループの内容などを口外してはならないというルールがあるらしく僕も今でもよくわかっていません。
主なキャンパス内の施設
Show Me Center
基本的には日本にもあるような市営の体育館と同じです。体育館内には一般の方もメンバーになることで使えるジム、プール、アスリートが使う試合会場があります。
ちなみにSEMO生は履修登録をすると自動的に金を払わされるので、どうせなら行く方が得をします笑。
ジムにはレクリエーション用のバスケットボール兼バレーボールのコートが5面、ワークアウトスペース、ランニング用トラック、スカッシュ場、ボルダリングがあります。また建物の奥にはプールがあり、こちらもレクリエーション用、競技用とあります。
ジムには公式の資格を持ったstudent trainerがいて、予約をすることでマンツーマンで教えてもらうこともできます。
またジム内ではヨガやズンバダンスのクラスも行われています。
アスリートの試合を見る時は、学生はIDを見せる事で入場することができます。一般の方もチケットを買う事で入場できます。
また市と共同で建てられた建物であることから、大学とは関係のないイベントも行われています。
2018年のアメリカ中間選挙の時にはミズーリ州での演説場所としてドナルド・トランプ元大統領が投票日前日に演説をされるために来られました。
図書館
学期期間中は毎日行くことができる学生の味方の図書館です。月曜日から木曜日までは朝8時から夜23時まで使用することができます。金曜日は8時から6時、土曜日は1時から6時まで使えます。
図書館にはスタディースペースはもちろん、パソコンエリア、チューターシステムなどがあります。
オンラインのデータベースからは過去の文献や娯楽用・資料用の映画などもあり、これらも無料で見ることが出来ます。
また予約を取る事でホワイトボードやテレビなどがついたスタディールームを使う事も出来るので、グループワークのミーティングをするのに適した場所もあります。
Academic Hall
Academic Hallはキャンパス最古の建物で、学校創立当初からあります。現在は学長室や、キャッシャーオフィス、キャリアサービス、一部の授業も行われています。
授業がなければ特に行く場所ではありませんが、学費の話やインターン・卒業後のキャリアでお世話になることになる場所で、レジュメの書き方や面接の練習などもやってくれる部署のオフィスがこの建物にあります。
University Center
寮以外で食べ物を食べられる場所がここにあります。キャンパス内にあるスターバックスもこの建物にあります。他にはBook store、小、中ホールなどがあります。これらのホールでは毎学期様々なイベントが行われています。
Book storeには学校のグッズが売っていたり、US bankのオフィスとATMがあります。ここで口座を開いたり各種手続きをすることも出来ますので、ほとんどの留学生は入学したらここで口座を作ります。
学生はこの建物のことをUCと省略して呼んでいます。
余談ですが、book storeで売っている学校の名前が入ったパーカーやTシャツは毎月の第1金曜日に割引があるので、もしこの学校に来ることがあれば第1金曜日を狙って来るといいでしょう。
International Center
ここではIntensive English Programの授業が行われている場所で、旅行時のVISAのサインをもらったりする場所でもあります。
名前の通りもちろん留学生がいることが多く、僕はアメリカ人がいるところを見たことがないですが、この大学から交換留学をすることができるので、その際に訪れる人は多いかもしれません。
ここでイベントが開催されることもありますが、頻繁には行われないです。
Houck Field
主にはアメフト、女子サッカーがホームグラウンドとしている場所です。またごくたまに学校のイベントでも使われています。
ちなみにMeric Hallに住むと部屋によってはフィールドに行かずに自分の部屋の窓から試合が見れます。
Show Me Centerと同じで公式戦はIDを見せる事で入場できます。
【追記】8/12/2022。現在は建て替え工事の為、座席の数がかなり限られていますが、2023年度に新スタジアムが完成予定となっています。
【さらに追記】5/16/2023。スタジアムの建て替え工事が現在ではほとんど完了していて、アメフトの試合のシーズンチケットなども売り出し始めたので恐らく2023-2024シーズンにオープンされると思われます。
リバーキャンパス
リバーキャンパスはアート系メジャーの授業が行われているキャンパスで、寮や食堂などメインキャンパスに移動が必要ない様に作られています。授業でメインキャンパスに行くことがあってもシャトルバスがあるので特に困ることもありません。
こちらにはコンサート用のホールや、授業で使うダンススタジオなどがあります。
学校の吹奏楽のコンサートも割と頻繁に行われています。
学費
留学先を選ぶ、留学をする上でやはりお金の部分の重要度は大きいですが、SEMOはアメリカ国内では安い部類に入ると思います。
州立であることから私立の大学よりも学費が安く、奨学金のオプションがいくつかあります。留学生用の奨学金も用意されているため、1番安いTowersに住んで奨学金をもらえれば年間200万円を切った値段で通うことも可能です。
またキャンパスの近くにはアパートが多くあるため21歳になったタイミングで引っ越してルームメイトを見つければもう少し費用を抑えることもできます。
生徒の特徴
学校内の男女比は女性が59.1%、男性が40.1%、学生と先生の比率は20:1となっています。
現在は630人の留学生が在籍していて、日本を含めて65の国の留学生が在籍しています。またSEMOからの交換留学の行き先は83箇所あります。
現在正規で留学している日本人は把握している人数で10人以下で正規生は減少傾向にありますが、日本の大学・エージェントといくつか提携を結んでいるので年間で20人程度の交換留学組の日本人が来ます。
ですが大半はIntensive English Programにいるので学部生であれば自分から関わらない限りは関わることはそんなにありませんし、秋学期のみで帰る人が8割を占めているので、気づいたら日本人を全く見なくなります。
これらを踏まえた僕の意見
根本的にアメリカ留学において日本人が流れやすいカリフォルニアなどの都会に比べて日本人が少なく、生活コストの低い中西部・ミズーリ州自体が留学には穴場だと僕は思っています。これらだけではなくいくつかメリットがあります。
1つ目は中西部自体が日本人だけでなくアジア人が少ないので本当のアメリカの姿を見ることができます。またあまり英語ができない人なら日本語を話せる人がほとんどおらず、頼れる日本人が学校に在籍している学生だけなので、強制的に英語を話す環境が作られます。
2つ目は旅行する時、旅行をすることはあまり多くありませんが、車でシカゴや他の都市に車で行くことができる立地の良さはメリットになります。日本に帰るのは年に1回と考えれば日本からの直行便がないミズーリでも大きな問題にはならないと思います。
また、日本に帰るにしても、羽田空港への便が飛んでいるアトランタ、デトロイト、ミネアポリス、シカゴの空港までは飛行機で1時間程で行く事ができます。
3つ目、SEMOは学費が安く、編入を予定していたとしても、最初の留学先としてはいいのではないかと思います。州内にはUniversity of Missouri-ColumbiaやWashington University in St. Louisなどのレベルの高い大学もあるので、下手にコミカレに行って単が移行できないよりいいと思います。
また入学基準のTOEFLも最低基準の61点と難易度は低めですし、テストの種類も充実しています。留学生用の奨学金もあるのでミズーリ州内の有名大学にこだわるなら1年目、2年目まではSEMOにいて編入するのは費用を見てもメリットになると思います。
終わりに
留学先の学校を探すことって結構難しいですよね。日本みたいに気軽にオープンキャンパスに行けるわけではないですし、専攻科目、学費、立地、大学ランキングのようなものから大学を選ぶのって正直限界があると思います。
有名な大学であれば今回の僕の記事のようなものもあると思いますが、大半はエージェントのサイトに出ている様なものなのでセールストークも多いかも?
僕自身はたまたま良いエージェントさんにお世話になってこの学校を紹介してもらいましたが、世間ではそうではない会社も結構あると思います。そんな方達のためにこの記事が少しでも役に立てたら幸いです。
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